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資本金払込とは|預け入れではダメ?手順やタイミングについても解説

法人設立に欠かせない手続き「資本金払込」。

とてもシンプルに見える手続きですが、預け入れではなく振り込みが必要であったり、募集設立では「払込金保管証明書」の提出が必要だったりと、独自のルールが存在します。

ここでは、資本金払込の期限や手続き方法について解説します。

資本金払込とは?

資本金払込は、あらかじめ定めた金額を、会社の発起人の口座に払い込むことを指します。
法人設立において重要なプロセスで、資本金払込が確認されないと、法人登記の申請ができません。

会社法改正前は、発起設立、募集設立に関わらず、資本金が払い込まれたことを証明する「払込金保管証明書」の提出が必要でしたが、新会社法では、発起設立においては発起人の口座通帳のコピーを添付するだけとなりました。

ただし、募集設立は株主保護のため、引き続き「払込金保管証明書」の提出が義務付けられています。

関連記事:会社の資本金の決め方とは?5つのポイントを解説

どの名義の口座に、資本金払込をする?

まず、法人登記が完了しないと、登記簿謄本(登記事項証明書)は取れないため、法人口座の開設は行えません。
よって、発起人の個人口座に資本金を払い込みます。

口座の種類は、ネットバンキングでも問題ありません。

資本金払込のタイミングはいつまで?期限は?

資本金払込の明確な期限は設けられていません。定款認証後に払い込みをするのが一般的ですが、定款作成日以降であれば、定款認証前でも問題ないです。

合同会社は、そもそも公証人による定款認証の手続きが不要なので、定款作成後にすみやかに払い込みを行いましょう。

関連記事:定款の作り方|必要な項目と記載内容を徹底解説

資本金払込の方法や手順

ここでは、資本金払込の具体的な方法や手順について解説します。

銀行口座の用意

先ほども記載したように、法人登記が完了しないと法人口座は開設できません。
そのため、発起人の口座を用意します。

また、資本金が払い込まれたことが証明できれば良いので、口座の残高をゼロにする必要はありません。

資本金の振り込み

次に、あらかじめ定めた金額と同額またはそれ以上の金額を口座に振り込みます。

払い込むという行為が重要であるため、すでに口座内に資本金と同額のお金があったとしても、払い込みは必要です。
また、預け入れも証明にならないので、注意しましょう。

ただし、発起人が1人の場合は、預け入れでも問題ございません。

振り込み明細をコピーする

通帳の表紙、表紙裏、資本金の振込が記録されているページの3つをコピーします。

インターネットバンキングでは、通帳がなく管理画面しか存在しません。
その場合は、銀行名や支店名、預金種類、口座名義、口座名義人など基本情報が記載されたページ、該当の取引が表示されているページの2つをプリントアウトして提出します。

払込証明書の作成

払込証明書の形式は自由です。項目としては、下記を必ず記入しましょう。

  • 払い込み金額の総額
  • 払い込みがあった株数
  • 1株あたりの払い込み額
  • 日付
  • 本店所在地
  • 会社名(商号)
  • 代表取締役の氏名

払込証明書が作成できたら、通帳のコピーと重ねてホチキスで留め、割り印を押します。この際、使用するのは発起人個人の実印ではなく、代表者印(社印)となるので注意しましょう。

なお、募集設立では通帳のコピーに加え、「払込金保管証明書」の提出が必要です。
募集設立は、発起人以外に出資をする人がいるため、金融機関に株式払込の事務取扱を委託します。その後、金融機関に払込金保管証明書を発行してもらいます。

資本金払込でよくある質問

ここでは、資本金払込でよくある質問についてまとめました。

払込後に、資本金は使える?

出資金が払い込まれたことが証明できれば、法人設立前でも使用することは可能です。

新しく口座を開設しなければいけないの?

新しく開設をする必要はありません。すでに保有している普通預金口座でもOKです。

ただし、個人事業などの屋号がついている口座は認められない可能性があるため、個人名義の口座を使用しましょう。

発起人が複数いる場合は?

発起人が複数いる場合は、発起人の中から代表者(発起人総代)を選出し、その代表者の口座に振り込みます。

複数回(複数日)に分けて振り込むことはOK?

銀行によって、預け入れや振込の限度額が決められています。

そのため、場合によっては資本金を複数回(複数日)に分けて振り込むことになります。
振込回数については特に決まりはありません。振込金額が資本金と同額またはそれ以上になれば問題ないです。

【資本金200万円の場合】

事例1 200万円を(一括振り込み)
事例2 100万円+100万円(2回振り込む)
事例3 50万円+50万円、次の日に100万円(別の日に振り込む)

資本金払込の仕訳は?

発起人が自分1人で、資本金を預け入れした場合、下記のような仕訳となります。

借方勘定科目 金額 貸方勘定科目 金額 摘要欄
預け金 200万円 資本金 200万円 資本金の払い込み

法人口座を開設し、資本金を法人口座に移した際は、下記のように仕訳を行います。

借方勘定科目 金額 貸方勘定科目 金額 摘要欄
普通預金 200万円 預け金 200万円 普通預金に振り替え

まとめ

資本金払込はそれほど難しい手続きではありませんが、不備があると法人設立の時期が遅れてしまい、取引開始時期に支障が出ることも。本日紹介した方法や手順をもとに、準備・実践していきましょう。

資本金払込の方法がわからない、進め方がわからないということであれば、当事務所がサポートいたします。

ご希望の方は下記ダイヤルまたはお問い合わせフォームまでご連絡ください。

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