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役員構成の決め方|人数はどのくらいだと適正?【法人設立時に必要】

法人設立時に悩むのが役員構成。取締役、監査役、会計参与、執行役など、さまざまな役員がいますが、どの役員を何人設置するのがベストなのか判断が難しいと思う方も少なくないでしょう。しかし、役員構成はその後の会社運営にも関わる事柄であるため、非常に重要です。本記事では、役員構成の概要や決め方などについて解説します。

役員構成とは?

役員構成とは、取締役、監査役、会計参与、執行役といった役員がいるか否か、また何人いるかを示すものです。会社法施行前は、株式会社は取締役を3名、監査役を1名配置することが義務付けられていました。しかし、会社法施行後は株式譲渡制限会社(非公開会社)であれば、取締役1名、つまり1人会社でも設立できるようになりました。合同会社の場合は、そもそも役員という概念がなく、業務執行社員とその他の社員のみになります。詳しくは後述します。

関連記事:法人設立で、株式会社と合同会社どちらが良い?違いをわかりやすく解説

役員と従業員の違い

役員と従業員の違いは、大きく4つあります。

まず1つ目が立場です。従業員は雇用される側で、「労働者」として定義されますが、役員は「使用者」であり、雇用する立場となります。

2つ目が契約です。従業員は雇用契約を結ぶのに対し、役員は委任契約または準委任契約を締結します。

3つ目が労働時間です。従業員は雇用契約にて始業と終業の時間が取り決められているのに対し、役員は特に労働時間の定めはありません。

最後の4つ目が給与です。従業員は実働時間に応じた金額を毎月給与として受け取りますが、役員はその成果に応じて報酬を受け取ります。

役員の種類

役員は大きく分けて全部で4つの種類があります。

取締役

取締役は、会社の業務執行に関わる意思決定を行う役員を言います。具体的には、事業戦略の策定や人員配置、予算獲得などを司ります。取締役が複数名設置されていない場合は、「社長(またはCEO)=取締役」となります。

会計参与

取締役などとともに、賃借対照表や事業報告書を作成・保管し、それを株主や債権者に開示する役割を持ちます。非常に類似するものとして会計監査人があります。どちらも実務上の役割はほぼ同じですが、会計参与と大きく違うのは公認会計士または監査法人でなければ就任することはできない点です。

関連記事:会計参与とは|監査役との違いや設置のメリット

監査役

取締役や会計参与の職務が正しく行われているか監視をする役員です。前述した会計監査人とは相互補完の関係にあり、連携して法定監査を実施します。

関連記事:監査役とは|会計参与との違いや仕事内容をわかりやすく解説

執行役

指名委員会等設置会社にて、業務執行を担う役員です。指名委員会等設置会社においては、経営の透明性を高めるために、経営と執行を分離しており、取締役は業務執行をせずに経営の監督のみ行います。

執行役と似た言葉に執行役員があります。執行役員は取締役の業務が逼迫し、意思決定のスピードが落ちてしまう恐れがあるときに、代わりに業務執行をする人を言います。役員に近い業務を行うものの、会社法上においては経営や重要事項への決定権をもつ役員には該当しません。

なお、執行役員の配置は各会社が自由に決めることができ、会社によっては、CTOやCOO、CFOなど、部門ごとの統括者として設置しているケースもあります。

役員構成の決め方

役員構成<株式会社>

株式会社の場合は、先に述べたとおり、株式譲渡制限会社(非公開会社)と公開会社によって、定められている役員構成が変わります。

・大会社(資本金が5億円以上、負債額が200億円以上)
取締役 3名以上(取締役会)
監査役 3名以上(監査役会の設置)

・公開会社(取締役会設置会社)
取締役 3名以上(取締役会)
監査役 1名以上(設置しない場合は、会計参与1名以上)

・株式譲渡制限会社(非公開会社)
取締役 1名以上

・指名委員会等設置会社
取締役 3名以上(取締役会)
執行役 1人もしくは2人以上

役員構成<合同会社>

社員が出資や設立、業務執行の権限を持つため、業務執行社員とその他の社員のみになります。

役員構成を1人にする時に注意すべきこと

株式会社でも、非公開会社であれば取締役1名のみの役員構成にすることができます。

役員の人数が減ることで意思決定が迅速になり、かつコストを抑えられますが、責任のすべてを負わなければいけませんし、対外的な信用は取締役会を設置している会社に比べると劣ります。また、取締役に万が一のことがあった場合、事業承継をスムーズに行えない恐れがあります。役員構成を1人にしたい場合は、あらかじめ補欠取締役を選任しておきましょう。

取締役会を設置するメリット・デメリット

では、取締役会を設置するメリットはどのようなものがあるのでしょうか。

株主総会を開催することが不要となり、迅速に会社経営に関する意思決定ができるようになります。また、対外的な信用が上がるため、資金調達や融資などで有利に働きます。しかし、その一方で役員報酬の負担が増大します。また、株主総会においても、取締役会がない場合は口頭での通知が可能ですが、原則書面での通知に加えて賃借対照表や損益計算書、計算書類などを添付する必要があるため、少々手続きが煩雑になります。

関連記事:取締役会の必要性って?設置したほうがいい会社、不要な会社

役員構成を変更するには?

役員の退任・辞任、就任、死亡などによって増減が生じたさいに、役員変更の登記が必要です。なお、変更があった日から2週間以内に登記手続きを行わなければいけません。

役員構成が変わらなければ変更登記をする必要がないと思いがちですが、任期満了ののち、再度役員に就任した場合(重任または再任)も役員変更の登記が必要です。ちなみに、12年以上、登記簿に変更がないと、経営実態がないと判断されて、「みなし解散」扱いになってしまうので注意しましょう。

まとめ

役員構成は、対外的な信用の多寡や会社経営における意思決定のスピードに関わる重要な事柄の1つです。

役員構成の決め方がわからない、取締役会の設置のメリット・デメリットなどについて知りたいということであれば、当事務所がサポートいたします。ご希望の方は下記ダイヤルまたはお問い合わせフォームまでご連絡ください。

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