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マル経融資とは?メリット・デメリットや審査方法について解説

マル経融資とは、日本政策金融公庫が取り扱う公的融資制度で、「小規模事業者経営改善資金融資制度」の略称を指します。金利が低いうえに、担保や保証人が不要であることから、小規模事業者にとっては非常に有用な制度です。本記事では、マル経融資の仕組みやメリット、申し込みの手続き方法について解説します。

マル経融資(小規模事業者経営改善資金)とは?

マル経融資とは、日本政策金融公庫が取り扱っている融資制度です。マル経融資とは略称で、正式名称は「小規模事業者経営改善資金」。融資限度額は2000万円です。マル経融資は、商工会議所や商工会から経営指導を6ヶ月以上受けていることが原則で、商工会議所からの推薦を受けなければいけません。

マル経融資(小規模事業者経営改善資金)の条件・要件

マル経融資を受けるには、下記の条件をすべて満たす必要があります。

 

  • 従業員20人以下(宿泊業と娯楽業を除く商業・サービス業は5人以下)の法人または個人事業主
  • 商工会議所の経営・金融指導を受けて事業改善に取り組んでいる法人または個人事業主
  • 直近で、同一会議所の地区内で1年以上事業を行っている法人または個人事業主
  • 商工業者であり、日本政策金融公庫の融資対象業種を営んでいる法人または個人事業主
  • 税金(所得税、法人税、事業税、住民税等)を完納している法人または個人事業主

 

新型コロナウイルス対策マル経融資(2023年3月末日までの取扱い)においては、上記条件に加え、「直近1ヶ月の売上高または過去6ヶ月(直近1ヶ月を含む)の平均売上高が前4年のいずれかの年の同期と比較して、5%以上減少またはこれと同様の状況にある法人または個人事業主」の条件を満たさなければいけません。

参照:ご融資の条件|東京商工会議所

マル経融資(小規模事業者経営改善資金)のメリット

マル経融資は低金利・無担保・無保証人であることに加え、商工会議所のさまざまなサポートを受けることができます。

低金利である

マル経融資は低金利で融資を受けることができます。金利は、日本政策金融公庫が定める特別利率Fの枠になり、2022年12月時点で1.13%となっています。担保不要の融資における基準利率は1.98%〜2.95%となっていることから、低金利であることがわかります。

商工会議所のサポートを受けられる

マル経融資を受けるには、商工会議所などで6ヶ月以上の経営指導を受ける必要があります。経営指導では、専門知識を有した経営指導員から、事業承継や事業計画の見直し、市場調査、新製品開発、借入や融資など、幅広い経営、金融におけるアドバイスを得られます。

最大2,000万円の借入れが可能

マル経融資は、最大で2,000万円、新型コロナウイルス対策マル経融資と合わせれば3,000万円の借入れが可能となります。

担保・保証人がいらない

一般的に、融資を受ける際には、会社の代表者が保証人になることが条件とされており、また、不動産や有価証券などの担保を設定する必要があります。しかし、マル経融資は商工会議所の推薦を受けているため、担保や保証人の設定は不要です。

マル経融資(小規模企業者経営改善資金)のデメリット

マル経融資を利用する場合、メリットがある一方、デメリットもあるということを考えなくてはいけません。ここでは、マル経融資のデメリットについて解説します。

借り換えは不可

マル経融資に限らず、日本政策金融公庫が取り扱う融資制度では借り換えを行っておりません。借入申込書にも「借入金のお借換えにはご利用いただけません」という記載があります。

創業融資に活用できない

マル経融資の利用条件として、「同一会議所の地区内で1年以上事業を行っている法人または個人事業主」とあるように、創業資金として利用することはできません。

融資までに時間がかかる

マル経融資を受けるためには、条件の1つである「6ヶ月以上、商工会議所や商工会から経営指導を受ける」をクリアしなければいけません。その後審査期間はおよそ1ヶ月、かかる場合で2ヶ月、入金までには最大で1ヶ月かかることがあります。

マル経融資(小規模企業者経営改善資金)申請で必要な書類

マル経融資を申請するには、いくつか提出しなければいけない書類があります。なお、必要書類は、法人と個人事業主で異なるので注意しましょう。

法人の場合

  • 決算書および確定申告書(直近2期)
  • 領収書または納税証明書
  • 履歴事項全部証明書
  • 残高試算表(決算後6ヶ月経っている場合)
  • 事業計画書(1,500万円以上申し込みの場合)
  • 見積書やカタログ(設備資金申し込みの場合)

個人事業主の場合

  • 決算書および確定申告書(直近2年)
  • 領収書または納税証明書
  • 見積書やカタログ(設備資金申し込みの場合)

マル経融資(小規模企業者経営改善資金)の手続きの流れについて

ここでは、マル経融資の申し込みから入金までの手続きの流れについて解説します。

商工会議所へ相談

マル経融資に申し込むために、管轄の商工会議所に連絡しましょう。担当よりマル経融資の利用方法や審査手続き、経営・金融指導などの説明を受けます。なお、商工会議所への加入は必須ではありません。商工会議所の会員でなくても、経営指導を受けることは可能です。

6ヶ月以上の経営指導を受ける

商工会議所へ相談後、経営指導員からの経営・金融指導が行われます。原則、マル経融資は経営を改善したいという事業者のための制度です。経営指導員のアドバイスに従って、経営の改善に努めましょう。

推薦をもらう

6ヶ月以上の経営指導を受けたら、いよいよ申し込みです。推薦に関しては、商工会議所の審査会による審査があります。経営指導に対する姿勢や、決算書の数値などに基づいて判断されます。

日本政策金融公庫へ申し込み・必要書類の提出

推薦が決まると日本政策金融公庫への申し込みが可能になります。先に述べた必要書類を忘れずに準備しましょう。書類を提出すると、日本政策金融公庫への審査が開始されます。

マル経融資(小規模企業者経営改善資金)の審査決定

ここまで来れば、あとは審査結果を待つだけになります。商工会議所からの推薦を通過すれば、おおよその確率でマル経融資を受けられます。融資が決定すると、指定した金融口座に融資資金が振り込まれます。

マル経融資(小規模企業者経営改善資金)でよくある質問

追加融資をすることは可能?

すでに日本政策金融公庫で融資を受けていても、追加融資は可能です。ただし、追加融資は、最初の融資よりも審査が厳しくなるほか、借入残高がある方については追加融資を受けられない可能性があります。

マル経融資(小規模企業者経営改善資金)の審査基準は難しい?

マル経融資の審査は、比較的通りやすいと言われています。通常、金融機関の融資では厳しい審査が実施されますが、マル経融資は、商工会議所による経営指導を6ヶ月以上受け、かつその内容をもとに推薦を出しているため、審査のハードルは低くなります。

マル経融資(小規模企業者経営改善資金)の返済期間について

マル経融資は、資金使途によって返済期間が異なります。運転資金では、返済期間が7年以内、据置期間が1年以内、設備資金では返済期間が10年以内、据置期間は2年以内となります。

なお、新型コロナウイルス対策マル経融資の場合は、運転資金では返済期間が10年以内、据置期間が3年、設備資金では返済期間が10年以内、据置期間4年となります。

まとめ

マル経融資は、最大で2000万円まで借入ができる融資制度です。低金利かつ保証人や担保なしで借りられるため、事業を拡大したい人や設備投資したい人にとって魅力的な融資制度といえるでしょう。法人でも個人事業主でも申し込みは可能となりますが、商工会議所からの推薦が必須です。

 

マル経融資の仕組みがわからない、手続き方法や進め方がわからないということであれば、当事務所がサポートいたします。ご希望の方は下記ダイヤルまたはお問い合わせフォームまでご連絡ください。

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