金融機関が重視して見る決算書の中身
(法人の決算書を前提とします。)
(1)赤字か黒字か
決算内容が赤字か黒字かというのは、対金融機関に対しては大きな影響を与えます。
2期連続の赤字は絶対に避けたいところです。
融資審査の入口で排除されてしまう可能性が高くなってしまうためです。
(2)自己資本の金額
自己資本とは資産から負債を差引いた金額のことです。
自己資本=資産-負債
- 債務超過ではないかどうかを確認します
債務超過とは、資産よりも負債が大きい状態を意味します。(資産<負債)
お金になりうるもの(資産)よりも返済しなければならないもの(負債)が多い状態のため、早くこの状態を解消する必要があります。
- 社歴が長いのに自己資本が少なくないかどうか
中小企業の場合には自己資本の中身は資本金と過去の税引後の利益の合計となることがほとんどのため、過度に節税をしすぎると自己資本は大きくなりません。節税を行うにもバランスが必要となります。
(3)仮払金等の雑勘定がないかどうか
本来、仮払金というのは、【仮に払っている】お金のことですので、精算されるべきものです。
これが精算されずに残っている会社は会計処理がルーズな会社と見られてします可能性がありますので、決算の時点では仮払金や仮受金などの雑勘定は残高が0になるようにしてください。
(4)役員への貸付金がないかどうか
役員への貸付金が決算書に計上されている場合は、金融機関はその貸付金は資産からマイナスして資産の総額を計算します。
役員貸付金がある決算書は公私混同をしている会社とみられますので、できるだけ早く貸付金はへんさいするようにしてください。
(5)債務償還の能力
会社が借入金を返済するもととなる金額は、税引後利益プラス減価償却費となります。
借入金の返済原資=税引後利益+減価償却費
この金額が会社の毎年の借入金の返済額よりも多い場合には、金融機関は【債務償還能力の余裕あり】と考えます。
借入金の返済原資<(税引後利益+減価償却費)・・【債務償還能力の余裕あり】
借入金の返済原資>(税引後利益+減価償却費)・・【債務償還能力に疑問をもつ】
金融機関からの融資を考えるのであれば、会社は利益をあげて、ある程度の節税をし、 納税も行う必要がありますね。
経営はバランスが大事です。
当事務所では、経営計画の作成の支援もさせていただいております。
将来が読みにくい時代ですが、少なくとも1年先までの計画をたてて、毎月予算と実績の把握をし、軌道修正をしていく必要があると思います。
毎月の試算表がタイムリーに出るということが絶対条件となりますね。