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税務調査が入りやすい企業の特徴は?調査の流れや業種別の対策方法

税務調査は突然やってくることが多く、事前の準備や心構えがないと慌ててしまうものです。特に中小企業や個人事業主にとっては、税務署からの調査は大きなプレッシャーになります。本記事では、税務調査が入りやすい業種、業種別の対策方法を解説します。

税務調査が多い業種一覧

国税庁が発表した令和5年度の税務調査結果によると、次のような業種において税務調査が多い傾向にあるようです。

業種目

一件あたりの

申告漏れ金額(万円)

一件あたりの

追徴課税額(万円)

前年の

順位

1

経営コンサルタント

3,871 

1,040

1

2

ホステス、ホスト

3,654 

507

3

コンテンツ配信

2,381 

436

4

くず金卸売業

2,068 

683

2

5

ブリーダー

2,028

459

3

6

焼き鳥

1,657 

427

7

太陽光発電

1,625 

119

8

8

内科医

1,621

408

9

スナック 

1,616 

326

18

10

西洋料理 

1,517 

288

税務調査が入りやすい会社の特徴

調査対象となりやすい会社の特徴は以下のような特徴があります。

  • 事業規模が大きい
  • 過去に申告漏れや不正があった
  • 申告漏れが多い業種である
  • 利益や売り上げの変動が大きい
  • 経費が多すぎる
  • 開業後3年が経過していて売り上げが急激に伸びている
  • 現金商売をしている(飲食店や美容室など)

開業後3年後に税務調査が入りやすい理由としては、税務調査では過去3年分の書類を確認されるためと言われています。

 

業種別、税務調査の対策方法

次に税務調査で見られやすいポイントを業種別に紹介していきます。

建設業

建設業は長期にわたる工事が多いため、売上の繰り延べ(期ズレ)の指摘が特に多いです。そのため、売上計上のタイミングにも注意し、工期に応じた正しい処理が求められます。

また、外注費・材料費の管理も注意しなくてはいけません。外注費と人件費の線引きがどこでしているかについてもチェックされやすい傾向にあります。税務調査では、架空の支出や水増し請求が疑われやすく、契約書や支払い記録を厳密に整備していかなければいけません。

製造業

製造業では、在庫と原価の整合性が重視され、税務調査でチェックされやすいポイントの一つです。特に、棚卸資産の評価や原材料と製品の数量に食い違いがある場合、指摘を受ける可能性があります。また、減価償却資産の処理についても、誤りがないか十分に確認が必要です。

機械や建物などの稼働状況も調査対象となることがあり、企業規模が比較的大きい傾向にある製造業は、税務調査の対象となりやすいため、日頃からの正確な管理が求められます。

飲食業

飲食業は現金売上の過少申告が最も多く指摘されます。現金取引が多い業態のため、売上記録が残りにくく、実際の売上より少なく申告してしまうケースが見受けられます。仕入れや取引件数が多いことから、計算ミスや記帳漏れが生じやすい点にも注意が必要です。

また、家族経営の店舗では、家族従業員への給与処理が適切に行われているかも厳しく確認されるため、十分な管理が求められます。現金レジの記録や日報、仕入れデータとのズレがないように、しっかりと税務調査対策をしておきましょう。

IT業

IT業界でも税務調査を受けやすいのは、システムエンジニアです。過去には、国税庁の発表する申告漏れが多い業種に入ってしまったこともあります。理由として、IT業は外注費や経費、開発費の処理が複雑であることや、申告漏れが多いことが挙げられます。下請けに発注することが多い業界のため、業務委託契約書や納品物の保存が重要です。

また、仮想通貨や海外との取引がある場合は、消費税の処理や為替の計上にも注意しなくてはいけません。急成長企業が多いため、利益率の変動が大きい場合などは調査対象になりやすいです。

運送業

運送業ではガソリン代や車両の維持費の私的流用がよく見られます。車両ごとの走行記録や経路管理を徹底し、業務実態と支出を明確にしましょう。外注ドライバーの契約や報酬の支払い記録も保管を徹底するようにしましょう。

また、車両の購入代金は、購入手数料などを含め資産計上した上で、耐用年数で減価償却しなくてはいけません。経理処理が複雑になりやすいため、税理士などの専門家に相談することをおすすめします。

理美容業

理美容業は予約帳・POSシステムと売上の突合が調査の焦点です。飲食店と同様に、現金取引が多いため、売上除外の疑いを持たれやすい傾向にあります。。また、仕入れた商品(化粧品・シャンプーなど)の販売記録も忘れずに行いましょう。従業員の雇用形態や給与処理が曖昧だと税務調査の対象になることもあります。

税務調査の流れ

税務調査の流れとしては、

事前通知 → 事前準備 → 調査当日 → 調査結果の説明 → 是正・修正対応

という形になります。

事前準備では、税務調査に必要な書類を揃えなくてはいけません。通常では過去3年分の領収書や帳簿などが求められます。重加算税の可能性がある場合は5年〜7年分までさかのぼることもあります。税務調査の連絡が来て不安な方は、事前に税理士に相談しておくと良いでしょう。

税務調査では何をチェックしますか?

税務調査では、具体的に以下のような点をチェックします。

  • 申告内容と帳簿の整合性
  • 売上・仕入・経費の計上が適正か
  • 人件費や外注費の処理の妥当性
  • 現金の出入りや預金の記録
  • 仮払金・貸付金などの処理状況

調査当日は調査官から質問があり、不審な対応をするとさらに詳しい調査が入る可能性があるので注意してください。

 

税務調査に不安がある場合は、次の記事も確認しておきましょう。

個人事業主でも税務調査がくる?時期や確率、対策まで徹底解説

まとめ

税務調査は「いつか来るもの」として日頃からの備えが重要です。特に売上や経費の記録、契約書の整備、業種特有の注意点などを押さえておけば、不安なく対応できます。申告内容に自信がない、経理処理に不安があるという方は、早めに専門家に相談するのも有効です。

万が一、会計処理や税務調査に不安な点や不明な点があれば、税理士などの専門家にご相談ください。当事務所では、確定申告や節税対策だけでなく、税務調査や融資など幅広く税務・補助金に関する相談を受け付けております。ご希望の方は下記ダイヤルまたはお問い合わせフォームまでお気軽にご連絡ください。



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